ひとつのブログの記事がきっかけで技術書一冊書くことになった話

前回の記事でも書いたとおり、先月発売されたHTML5ハイブリッドアプリ実践入門、絶賛発売中です。著者としての初めての執筆ということで色々勉強になる部分もありつつも、実際に発売されて書店で自分の書いた本を見かけた時には、何か不思議な出来事が起こったような感覚で、というのも、もともと本書の執筆始まったのは、ひとつのブログの記事を書いたことが発端だったからです。

2013年前半にHTML5によるハイブリッドアプリ開発に関する雑記、という記事を書きました。この記事にはハイブリッドアプリ開発に関する細かいノウハウを記述している記事です。このブログには、基本的にPHPJavaScriptやコラムやその他翻訳の記事を多く書いています。ハイブリッドアプリ開発に関する記事を書いたのはこれが初めてでした。

ハイブリッドアプリ開発に関するブログ記事を書くのは初めてでしたが、当時仕事ではハイブリッドアプリ開発にはかなり関わっていました。実際にHTML5ハイブリッドアプリを使ってiOSAndroid両対応アプリの受託案件やそれに関連する開発者向けサービスにも何度か関わったりしていました。その中でiOSAndroidの両方のプラットフォームでの開発に親しんだり、ハイブリッドアプリの動作原理を詳しく知るためにAdobeに買収される前のPhoneGapからのソースコードを読み込んだりしていました。

1-2時間ぐらいで書いたハイブリッドアプリ開発に関する記事でしたが、このブログの中では大きいはてブ数を稼ぎました。内容を箇条書きにして大事な部分をそれなりに網羅した形になっているというのと、HTML5ハイブリッドアプリ開発という手法が注目されつつも、ノウハウや知識の共有がそれほど進んでおらず情報があまり無かったのが理由だと思います。

ブログの記事を見た上司から、「これ書けるんなら今度の開発者向けのイベントで喋ってよ」というような話になり、その後AndroidHTML5関連の開発者向けイベントで何度かHTML5ハイブリッドアプリについて講演しました。講演の時に使ったスライド資料をSlideShareに共有してそのまま数ヶ月がたった時に、そのスライド資料を見た技術評論社の編集者の方から執筆依頼が来ました。

編集者の方と打ち合わせするとそのままトントン拍子で話が進み、7月後半から3ヶ月弱使って内容を執筆しました。もともと300ページに収める予定でしたが、内容を書いていくうちにそれでは全然足りないことに気が付き、最終的には380ページ程度になりました。書いている頃はほんとに締め切りまでに書けるのかというプレッシャーで何をやっても全く楽しくないのと、うっかりPHPカンファレンス2013のウェブサイトと講演も担当して丁度脱稿の時期とかぶって死にそうになりながらこなしていました。脱稿後にもAndroid4.4やiOS7がリリースされて、修正を加えないといけない部分にも対応していました。

結局なんやかんやで元々の発売予定だった11月末から半月程度ずれこんで12月20日に発売されました。元を正せば、ひとつの記事を書いたことから事態が回転して一冊の技術書を出すことになりました。本の内容は、前回の記事の目次を参考にしてもらえればだいたいわかると思います。あと海老原さんの熱いレビューも参考になります。